ターは最近も、「お母さん死んじゃったら困る、ほんと困る」と言っていた。
そして、「僕はもう、このまま実家にいるよ!齧れるだけすねをかじる」などと言っていたのは確かつい数か月前のこと(笑)
ターが亡くなったときの母の言葉にもちょっとびっくりした。
「一生面倒見てやったのに…」
本当に、ターのことを小さい子供のように思っていたんだなあ。
母も母で子離れができていなけりゃ、子も子で30過ぎても自立できてないなあ~と思ったけれど、まあそれも幸せなもんだと思っていた。
「ゆーちゃん(私のこと)やターが先にいなくなったら、お母さん、気が狂っちゃうよ」
身体があまり強くない私や、心配をかけ通しの弟に母はよくそう言っていた。
私たちが小さい頃は、ちょっとヒステリックな母が苦手だったけれど、十分すぎるくらいの愛情を与えてくれたし、いまもちょっと子離れができていない感はあるけれど、こんな40近い子にも愛情を注ぎ続けてくれる。
「お母さん、優しい方だよね。本当に何でも親身になってくれる」と言われたことという経験は、近所のピアノ教室の先生や友達のお母さんなど一度二度だけじゃないし、看護師として頼られ、心底患者さんを想う母を見ると、心底かっこいいと思う。
子どもが先に死んだら気が狂うと言っていたにもかかわらず、母は、弟が亡くなって1週間で仕事を再開した。
電話すると、まだまだ泣いていることもあるけれど、
「今度、自死遺族の会っていうのに行ってみようと思うんだ」
と、少しだけ前を向き始めた母。
ただただ、尊敬する。
父同様、私の幸せがなくなっても、母の残りの人生は幸せであってほしい。