申し訳ないけれど、弟の自死については自分の夫は全然頼れなかったし、良き理解者ともなってはくれなかった。
もちろん慰めようと、連れ出してくれたり、家事をやってくれたりという気遣いは有難かったけれど、家族みんな長寿で親族や友人に自殺者もいないという夫は、やっぱりどこか他人事だった。
そんな夫に文句言うのはお門違いなのだけれど、やっぱり少し残念な気持ちがある。
6年前に結婚して、弟とも知り合って6年。
食事に行ったり、会えば会話はしてくれていたけれど、年に数回会う程度の私の弟に対して、特に思い入れがあるとは言えないので仕方ないのかもしれない。
それよりも頼りになったのは、弟と私の共通の幼馴染で、亡くなったというその日から火葬までついていてくれたM君。
弟の幼馴染で、これまで弟が悩むたびに相談に乗ってくれていて、自殺未遂をしたことまで話していたというSさん。
そして、同じく家族を自死で失ったという私の友人Yさんだった。
その3人の他にもみんな、それぞれ100%の力を使って私たちを支えようとしてくれていて有難かったけれど、特にこの3人がいなければ私たち家族の心の回復はものすごくスローペースになっていたように思う。
「夫は自分の気持ちを理解してくれない」なんて書いてしまったけれど、私も自死遺族になって初めてこの気持ちが分かったのだから、大きなことは言えない。
「謙虚に生きる」という言葉は好きではないけれど、なんでも分かった風にはならないようにしたい。