弟の自死で、家族が変わってしまった。
表向きは変わらないけれど、みんな必死で踏ん張っている。
仕事に出ている母は、家で一人で留守番をしてくれている父が後を追ってしまうのではないかと毎日急いで帰宅しているそうだ。
少し離れたところに暮らしている私は、年老いた両親2人が毎日泣いていると聞くといたたまれなくて、新築で建てた家を売り払ってでも、最悪離婚してでもどうにか両親のもとに引っ越して来れないかと考えてしまう。
両親が生きているうちは、私にもまだ生きている意味がある。
でも、両親や今一緒に暮らしている猫たちがいなくなったらもう、生きている理由がわからなくなりそうだ。
毎年家族で新年を迎えてきた。
今年は、ターのいないお正月になる。
どんな顔をして新しい年を迎えたらいいんだろう。
いっそのこと世界が今日にでも終わればいいのに。
自分で死ぬということは、周りに迷惑をかけるものじゃない。
周りをときには死にすら追いやることだ。
どんなに辛かったのだろうと弟の心情を胸が締め付けられるような想いで想像することもあれば、今日みたいにひたすら怒りの感情が湧き出ることもある。
どちらにしろ、家族の自死の影響は大きすぎる。