中山七里(なかやましちり)さんという方の「夜がどれほど暗くても」を読みました。
あらすじは、息子がストーカーを働き、相手を殺害し自死したという疑いがかけられ、その後の加害者遺族を主軸に相手の遺族とのやりとりや殺人犯の親として社会から向けられる目などを描いた社会派小説です。
息子の自死、親より先に子どもが亡くなる、平凡で幸せな一家がひっくり返されるという点に興味をひかれ、読み始めたら一気に読んでしまいました。
ネタバレになりますが、実は息子は殺人犯ではなかったことが証明されて結末を迎えるのですが、私が読みたいのはその先なのになあ~という気がしました。
被害者遺族との関係修復の兆しが見えるところで終わっていますが、そのあとも息子を亡くした悲しみや苦しみは続くはず。そこをもっと見たかったところではあります。
ただ、気づきとしてあったことは、被害者遺族と加害者遺族は対局・敵対する存在としてあると思っていたけれど、実はある意味どちらも「被害者」であるということ。
自分は正しい道を、普通の道を歩いてきたと思っても、時には立ち直れないほどダメージを受ける、「家族」という存在についてちょっと考えてしまいました。