とか「病、市(いち)に出せ」という言葉を思い出した出来事、の続きです。
以前わたしが読んだ森川すいめい先生の「その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く」という本の中にあった言葉です。
この自殺希少地帯と言われる地域は徳島県の海陽町を指しているのですが、そこでは「近所のだれそれさんがうつ病らしい」「そりゃみんなで行ってやらんとね」とか、
「あんたうつじゃない?早く病院行きな」という話になるそうです。
普通は、「うつ病だって」「そっとしておこう」だったり、「この人調子悪いのかな」と思っても言えなかったりするのに、この自殺希少地帯ではそうではないらしい。
むしろ、「大丈夫か、どうした」とズカズカと助けに迎えに行っちゃうような文化があるそうです。といっても、集団行動が好きだったり結束力があるわけではない、むしろ赤い羽根募金とか、「みんなやってるから」というのは、なく、いい個人主義がある地域なのだとか!
この本を読んで、ターがもっと、みんなにもっと調子悪いと言ってくれてたら、さらけだしてくれてたらという悔しさを感じました。
でも、ターが亡くなったダメージを最低限にできたのは、両親やわたしが自死という理由を隠すことなくオープンにできたから、そしてそれを知った友人や近所の方のサポートを受けられたからだと思います。
ターを喪った上に、隠していかなければならない苦しさがなかったことが、わずかだけど大きな差になったと思います。
家族の問題こそ、「病、市(いち)に出せ」。そして市に出したときに助けに向かってくれる人のいる有難みを一層感じた、今年のターの命日でした。
今年も乗り越えられました。
ありがとう、Yさん。
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