庭の手入れついでの植物撮影会、続きです。
ムクゲ。
韓国名は「ケナリ」。
この花を見ると、「ケナリも花、サクラも花」という本を書き、35歳で自死された鷺沢萠さんを思い出していたけれど、弟もそっち側に行ってしまったなんて、やっぱりまだ信じられません。
ススキ。
ターも私もお世話になっていたお隣の上品なおば様のお宅が取り壊しになることから、移植させてもらったススキです。
そのおば様はもう10年くらい前に亡くなっているので、弟ももう会っているかなあ。
これもターの住む離れの横にあった花で、クジャクソウというそうです。
こういう小さいけれど可愛いなという花にはっとしていいなと思える心というか余裕があるといいなと思います。
紫式部。
秋、ターの離れからガレージに向かう途中にびっしりとなるのですが、ターは気づいていたかどうだったか!?
「へえ、面白い実~」でもいいからちょっと気を逸らせなかったかなあ。
イチジク。
ご近所さんがちょうだいと来ることも多い実のなる木。
そう言えば、イチジクが好きなMさんというご近所さんの50代の息子さんは3年ほど前に心臓発作で倒れてしまったことがありました。
看護師をしている母と、力仕事のできるターが駆けつけ、心臓マッサージをしたことで一命をとりとめたということで何度もお礼にいらっしゃったということがあります。
まさかその3年後、ターが自分で人生の幕引きをしてしまうなんて。
猫を飼って最期まで面倒を見たり、人命救助したりしても、なんだかあっけなさすぎます。
シオン。
地味な花ですが、家族みんなで大事にしていた梅の木の下に群生していて、秋らしくて可憐な花です。
ジニア。
ターが亡くなった7月は雨ばかりで、8月はカラカラの天気のため、ずっと変な色をしていたのですが、9月になって天気が安定してきて鮮やかな色が戻ってきました。
ターは、「花なんて桜とバラとひまわりしか知らないや」と言ってた花オンチなので、ターが見たら「ガーベラ!」と言いそうです。
桔梗。
祖母は寂しい花と言っていましたが、この紫色が美しいなーと見入ってしまいます。
弟は10年ほど前に「お華を習いたい。ヴィーガンにも興味があるからお姉ちゃん教えて」なんて話していたことがあります。
当時も人生迷走中で、これまでと違った生き方を探していたようでした。
結局、お華もヴィーガンもせず、「男らしさ」を求めていった弟ですが、もしあのとき、「お華・ヴィーガン」の方向に行っていたら違ったのかなとも考えてしまいます。
たら・ればは意味はないと思うのだけど、意味のない会話とか思考は大嫌いだったのだけど、弟のことに関してだけば、意味のないたらればをぐるぐる考えてしまう。
兄弟である私ですらそんな状態なのだから、父やさらにはお腹を痛めて産んでくれた母は、ターを亡くして気も狂わんばかりだと思います。
そんな母を慰めてくれる庭や植物には感謝しかないし、私自身もまた、ふとぐるぐるした思考から気を逸らしてくれる植物の存在って優しいなと感じました。
なんて言いつつ、実際には私も植物に疎く、今回ご紹介した植物の半分くらいしか名前が分かりません^^;
花が大好きな母に教えてもらいながらこの記事をつくりました。
母に案内されながら植物の撮影をする時間は、久々に感じた平和な時間でした。