わたしの家族

私の家族は両親と私、弟の4人家族です。2020年7月、弟が自ら命を絶ち3人になってしまいました。予想だにしなかった形の3人です。「両親よりも先に死んではいけないよね」と兄弟で決めていたことなのに…。私自身の気持ちの整理のために、そして自殺を考える方や自殺遺族様の小さな光になればと思い、このブログを始めました。

救われた本たち

ターが亡くなってから色々読み漁って、合う本合わない本がありましたので、備忘録も兼ねて書かせていただきます。

最初に、スピリチュアル系の本。
私にはこれは全然救いにならない!…どころか、気持が落ち込みました💦
「私、みえちゃうんです」系のコミックエッセイも、体験本もぜーんぜんダメ。
というのも、自殺は悪、自死した人の魂は成仏まで時間がかかるとか、死別した人を忘れて再婚した方がいいとか、作者の都合の良い方向に、「それ、あなたの頭の中でのことだよね?」ってことを堂々と言ってる…。
読んでていやーな気持ちになりました。

 

対して、読んでよかったなという作者さん、本はこちらです。

「犠牲」をはじめとした柳田邦男さんの本

偶然新聞でご次男を自死で失ったということを知り、読むようになった柳田さんのこの本には、ターないなくなった直後から2~3カ月の一番辛い時期を支えてもらいました。
この本を読む間は柳田さんの話をうかがい、話を聞いてもらっているようでした。


「母の教え」姜尚中さん

ご長男をやはり自死で亡くされた姜尚中先生。
息子さんへの思いもさることながら、奥様のこと、動植物そしてお母様への思いがあふれているこの本は、母が何度も読み返したと言っていました。


「死は終わりではない」

自死した息子さんの死の後を書いたアメリカ人女性内科医のメドフスさん本です。
ターのことがなかったら、おそらく胡散臭いとか思って近づかなかったタイプの本。
だけど、ターの死からほどなくして出会った本で、亡くなった後も絶対生きてるんだと思えて、希望がもてました。
また、「お母さん目線」の本はほかにないと思います。
そして、このメドフスさんはインスタもTwitterもされているので、ご連絡させていただくこともできました。
弟が亡くなった苦しみを伝えたときの”I do know your pain”の共感のお言葉がどんなに嬉しかったことか。

 

「人生は廻る 輪のように」をはじめとしたキュブラーロスさんの本

母が医療関係の仕事をしているので、生死にかかわる本は家にも多く、ちょこちょこ読んでいたのですが、ターのことがあってから改めてキュブラーさんを再発見しました。
彼女自身とご家族については順風満帆だけど、死についての話をたくさん読む中で、死は特別なものじゃないと感じられました。
でも、キュブラーさんには不本意かもしれないけれど、精神世界とかスピリチュアルの切り口ではない、「亡くなった方との会話」のくだりが慰めになりました。
いつかターともこんな会話ができるんじゃないかと信じてます、本気で!

「命には続きがある」矢作直樹先生

前ご紹介したかもですが、「亡くなった方とはまた必ず会えます」という力強い言葉のおかげで、さーっと雲が晴れたようでした。
死後の世界はあるということをオカルトではなく医者、葬儀屋さんという視点で進めてくれる点もスピリチュアルとは一線を画す本です。

人によって合う合わないはあるだろうけれど、上記の本との出会いも私や家族(とくに母)を前へと進めてくれました。

 

ただ、いまこうしてまとめてみると、「もうお腹いっぱいかな!?」という気持ちも出てきました。
一時は死のことが出てこない本なんて一切読みたくなかったのですが、いまは生活のこと、日常について書かれた本や漫画を楽しむ余裕も出てきました。
10カ月ずっとターの死によって自分の軸をないがしろにしてきましたが、もう一度自分の人生、暮らしに軸を置いて考えられるようになってきた証拠かもしれません。

悲しみと寂しさは変わらないけれど、自分の人生も大事にできそうです。

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