ターは、人を見る目に長けていた。
自分のことはさておき、癖とか口癖をしっかり見ていた。
お母さんのことは「せわしない警察犬みたい」。
一生懸命動くんだけど得るものが少ないと言ってみんなで笑ってた。
お父さんのことは、「星の王子様が好きな口の悪いおじさん」。
お母さんのおかげで、子ども二人が私大に行ってもある程度財産を残せたねという話をしていたら、何を思ったかお父さん、
「母さん、欲をかいたからな」
と空気読めない発言。
それを見ていたターは、「星の王子様」の口調を真似て、
「欲をかいたからだよ、ヘビ君」
なんて言ってたよね。
水商売をやっていたという叔母さんのことは「通りでボディタッチが多いわけだ」。
ご近所の小母様が大往生したときにはLINEで、「大御所逝く」と伝えてくれて、寂しさの中にもちょっと笑えた。
お姉ちゃんのことを聞いたら、
「うーん、なんだろうねえ?」
と珍しく困っていた。
けれど、「お姉ちゃんって雑だよね」とか、「人が残酷になるのは悪いことをしようとするときじゃないよ、正義のもとにってと思ったときに人は残酷になるんだよ。お姉ちゃんを見ていると心配になるよ」なんてことはちょくちょく言ってくれた。
ターの言葉、ずっと、一生忘れない。
名言をたくさん残してくれたので、おかげでこんなときでも少し笑えるのが有難い。
すっきりと送り出すことはできないけれど、35年間家族でいてくれたことへの感謝の気持ちは100点満点中120点!(この言い方もターのお気に入りだったなあ)