「 話尽山雲海月情」。
不勉強な私は初めて知ったのだけど、禅の有名な言葉で「かたりつくす さんうんかいげつのじょう」と読むらしい。
今月の茶道のお稽古にうかがったときに掛け軸に書かれていた言葉だった。
すべてをさらけ出して語り合う様子を示しているそうで、なんだかターを思い出した。
どんな出来事であれ、最近の私はなんでもターに結び付けて考えてしまうのだけど、この語はとくに、「ターにも、私たち家族とは言わなくても、心の内をさらけ出せる友人がいたはずなのになあ」なんて思いにふけってしまう言葉だった。
水屋で作業していたら、一緒にお稽古の相手をしてくださったKさんも、先生から事情を聴いていたようで「何と言っていいか…」と口ごもっていらっしゃった。
いつも元気な先生も、「もう勘弁してくれと思うこともあるけれど、生かされている以上はやらないとね」と、ちらっと心の内を聞かせてくださった。
そんな気遣いが心にしみる。
月1回という超スローペースながら茶道を習ってトータルで五年ちょっと。
七月に弟が亡くなった数日後にも、お稽古をさせてもらった。
気持ちを落ち着けられる場所があり、語れる人がいるというのは有難いことだ。