ターが亡くなってからというわけではなく、もともとふと、深夜目が覚めることがある。
霊感はないけれど、なんとなく人の気配を感じたり怖い話を思い出したりしてしまい、慌てて目をつむる。
けれど、ターが亡くなってからは目が覚めると、
「ターかな?!何か話してこーい!」
と思うようになり、怖いという感覚がなくなった。
それでも、ターが亡くなったときもふと夜中に目が覚めて嫌な予感がして、その数時間後に母から連絡があったという思い出があるので、やっぱり夜中に目が覚めるといい気分はしない。
ターが亡くなって三カ月くらいまでは、夜中目を覚ましてしまうたびに、朝、目が覚めるたびに「今日もあなたの弟はいないよ」と言われているようで苦痛で絶望で仕方なかった。
いまは苦痛と絶望は薄まり、ターのいない毎日が、ひたすら寂しい。
朝の光は、夜中に目を覚ましたときの心配も不安もさーっと消し去って、憑き物が取れたかのように気分を明るくしてくれる。
どこかで読んだのだけど、勤め人の自死の多い時間帯は夜中の12~2時と早朝4~5時だそうだ。
ターの死亡推定時刻もまさに、夜中の2時だった。
早い所人生卒業したいという気持ちは変わらないけれど、とりあえず朝が来れば、日の光を浴びれば大丈夫と唱えながら、なんとかやり過ごしていこう。