実家を離れて夫との家に戻り日中仕事や家事をしていると、ターはいつもと変わらず実家にいて、元気に働いている気がする。
ターが亡くなった直後は父と母、それから外から来てくれた誰かがいないと気が狂いそうだった。
けれど、3回目の月命日を過ぎたあたりから義務で帰る感じになってしまった。帰るとほっとしてターと笑い話をしていた場所は、苦痛と寂しさの地雷だらけの場所になってしまった。
もともと実家が大好きで、オットとの家と実家がそう遠くないこともあって毎月楽しみに帰っていたのに。
帰る度に「やっぱりター姐ちゃんがいると雰囲気変わるね」「次はいつ帰ってくる?」と聞いてくれる両親。その期待を裏切らないように帰らなきゃと義務に思うようになってしまったことも、そう思ってしまう自分もすごく嫌だ。
けれど、今月の帰省をしたら、母も父も少しスッキリというか落ち着いた顔をしていた。
顔・表情だけじゃなくて、声も、話し方も、動きも…とくに声のトーンというかハリというかは、あの日の前と同じようにすら見えた。
子どもを亡くして誰よりも辛いのは母も父だろうに…諦め始めて、受け入れたから前を見られるようになったんだと思う。
ターの思い出がありすぎて苦痛の棘だらけに思えていた実家が、少し元に戻ってきた気がした。
自分が両親を支えなければと思っていたけれど、やっぱりまだ両親に支えられっぱなしだ。
2人には、感謝と尊敬しかない。