冬になると、私が独身でまだ実家にお世話になってた頃を思い出します。
正社員として一応ちゃんと働いてましたが、食事は用意してもらったし、母にお弁当もつくってもらっていて。
しかも、ターが新卒で始めた仕事をやめて看護学校受験のために帰宅したので、家族4人が揃って、しかも家に来てしまった迷い猫まで一緒に暮らしていたということがありました。
年末、私はとあるエッセイに応募して評価されたというニュースをもらい、ターはそんな私を見て「いいなあーいいなあ。僕は入試の論文すら書けないのにー」と笑ってました。
父は近所に年末の料理で出かけていて、母はお年とりやおせち料理なんかをつくりながら私たちのやりとりを笑いながら見ていました。灯油ストーブに乗せた煮物のいい香りもしました。
15年後、ターのいないこんな年末を迎えるなんてと思います。
だけど、15年前は確実にターも含め、みんな笑っていた事実は消えません。
ターや私たち家族の人生は不幸じゃないと思わせてくれる、冬の思い出です。