ターがいなくなって自分のことしか考えられなくなり、自分と同じように悲しんでくれない夫のことを腹立たしく思っていた。
そんなトゲトゲした気持ちが根っこにある状態で聞いたのが悪かったのかもしれないけれど、「家族を失う辛さって分からない?」と聞いたら「みんな元気だしよく分からないや」という回答…。
もう別れようかな、別の場所で人生始めろというターからのサインなのかななんてことを思っていた時期があった。
そんな状況を友人に相談したら、
「夫さんも寂しくてそういうこと言うのかもしれないね?」
とのこと。
ターのことがあるからと月の半分近く実家に帰ってしまって、家に帰ってきてもターの話ばかりになっていた。
夫は寂しかったのかもしれないということに初めて気がついた。
「一人にさせてごめん。ターの話ばかりしてごめん。でも、一番大事な人に分かってもらいたかったんだ」
恥ずかしい気持ちもあったけれど正直に気持ちを話したら、がらっと夫の態度が変わった。分かろうとしてくれるようになった。
家族を自死で失って辛くて悲しくて自暴自棄になっていたけれど、危うくもう一人の大事な人を失うところだった。
そう言えばお恥ずかしながら、今年の5月頃にも、「もう夫とは続けていけない!ムリ!」と言って、実家帰りたいなあということをターに話したことがあった。
ターはかなり本気にとらえて、母に「お姉ちゃん、離婚するの?」なんて言ってたそうだ。
私がターの自死をきっかけに離婚したら、ターも悲しむはずだ。
改めて、夫にもう一度感謝し、大事にしようと思った。