母は、弟が亡くなった部屋のゴミ箱が空っぽだったのを見て、
「何も食べずに死んでいったと思うと切ない」
と思ったそう。
そして、ターが自分で死んでしまったことに対し、ご先祖様に申し訳ないと言っていました。
もちろん、母の想いはそれだけじゃありません。
失恋して傷心中の弟のことを、そっとしておこうじゃなくて声をかけてやればよかった。
ご飯だよと呼びに行けばよかった。
弟が命を絶った午前2時頃に胃が痛くて目が覚めたときに、弟の部屋を覗いてくればよかった。
その数日前に作業しながら話を聞いてやるんじゃなくて手を止めて目を見て話してやればよかった。
母の中では、ああすればよかった、こうすればよかったということが渦巻いています。
弟が亡くなったことは切ないけれど、兄弟を亡くすのと子を亡くすのはまた悲しみは違うと思っています。
私には、母がああすればこうすればと苦悶する姿が堪えます。
母が苦しんでいる様子を一緒に受け止めてくれる弟はもういないことが苦しいです。