弟が自ら死を選ぶ前日のスマホの履歴を見ると、「首吊 自殺」「首吊 ロープ」「縊死 結び方」といった検索結果が出てきました。
警察の方もこれを見ていて、結び方も正にこの通りで、遺書もあったため、事件性がないと思われたそうです。
前日、弟は病院に行っていました。
大腸の病気を患っていて、毎月点滴に行っていたのです。
病院の帰りに近所のホームセンターで飼い猫と拾ってきたばかりの子猫のためのエサをどっさりと購入するとともに、新しいロープも購入していました。
帰宅に気づいたのは父で、その時はお風呂に入っていたそうです。
「車の音がして、何度か車と家を往復しているようだった」
と話してくれました。
普段なら空腹のはずなので、両親のいる母屋に寄って何かを食べるようなのですが、その日は病院から帰るとそのまま離れの自室に行き出てこず、そのまま深夜に首を吊っていたようです。
両親は、
傷心の弟をそっとしておこうと思い、声をかけなかったことが裏目に出てしまったのかもしれない。
部屋の電気がついてないことには気づいたので、確認に行けばよかった。
ご飯だよと呼びに行けば違ったかもしれない。
と後悔しています。
一方、弟たちと離れて暮らす私は、
せめて電話をしてやればよかった。
土日にかけて泊まりに行って話を聞いてやればよかった。
と後悔しています。
弟が落ち込むと、母から
「ちょっとお姉ちゃん来て、ターの話聞いてやってくれる?」
と連絡がくるけれども、今回はそうでもないので大丈夫なのだと思っていました。
LINEでは明るい感じがしたし、2週間後には会う予定でそこで話すと言っていたので大丈夫だろうと思っていました。
でも、そうじゃなかった。彼の心の中はもう真っ暗で誰が何を言っても受け止められない状態だったのかもしれません。
戻れるなら、弟が死を考えた日や、LINEで「結婚を考えてた人だったけど別れちゃったよー」と言ってくれたときに戻ってやり直したいです。
不毛なことと分かっているのですが、あの日以来時間が止まったようになっていて、新しい朝がきても同じ後悔を何度も何度も、家族で話し合っています。