ターが亡くなる前日は、クローン病のための定期通院の日だった。
朝早くにちょこっとご飯をつまんで、「書類どこだっけ」などと言いながら病院へ行き、いつも通り診療を受け、次回の予約まで終えて。
そして、13時36分にスマホに遺書を残したらしい。
14時過ぎに、近所のホームセンターでロープと大量のキャットフードを購入。
後でそのホームセンターに行ってみたけれど、2000円台の細めのロープと、4000円台の丈夫なロープが並んで売られていた。
ターは、4000円台のロープを選んでいた。
そして、亡くなったと思われるのがそこから12時間ほど後の7月7日午前2時。
「失恋したばかりだしそっとしておいてやろう」という気遣いが余計だった。
この12時間の間に、せめて家族で食事をしていたら。
両親のどちらかでも様子を見にいっていたら。
私が電話でもかけてやっていたら、違ったかもしれない。
その日に病院になんて行かずに普通に出社していたら、気が紛れたかもしれない。
そもそもクローン病になんてかかっていなかったら、正常な判断ができたかもしれない。
ターがいなくなって4カ月になるけれど、「たられば」がぶり返してしまう。