自殺・自死と聞くと、「小さい頃の心の傷があったのかな」とか「経済的に何かあったのかな」「何か悪いことでもしちゃって罪悪感があったのかな」なんて思ってしまっていた。
けれども、ターがそうなって、恵まれた環境であっても自殺は起こることを思い知らされた。
ターには仕事もあったし、経済的に不自由のない元気な両親がいて、家族仲も友達との仲も良くて、傍目には何もトラブルが無かった。
もっとも、ターはもう10年近く前からずっと虚無とか喪失感と闘っていて自殺未遂もしていたのだけれど。
だから、こんなことを言うのはおかしいかもしれないけれど、何でも持っていそうな芸能人の方が自殺したというニュースを聞くと、「そうなんだよ、自殺ってそういうものなんだよ」と思う。
「自殺かあ、切ないなあ」と遠い世界のことのように思っていたことが自分に切り替わる、そんなことは簡単に起きる。
5カ月経った今も、自分が「ジシイゾク」になったんだというのがまだ信じられなくて、なんだか自分の人生ではなくなってしまったみたいだ。
幸運なことに、これまで身内が自死したと伝えたことで嫌な思いをしたことはなくて、寄り添ってくれる人がほとんどだ。
弟が自死したということをこうやって伝えることで、自死はどんな人・環境にも起こることを伝えて自死への偏見をなくすきっかけになったらいいなと思う。
だけど、一番は自分の奥底にある自死への偏見を取り除きたいという想いがあるのかもしれない。