自死遺族になるなんて経験したくなかったし、悲劇が起きないように一生懸命やってきたつもりです。
それでも、うちには最悪のこと…子どもが親より先に亡くなること、自死という理解できない方法で家族を亡くすこと…が起こってしまった。
それで「なんだ、自分の人生もう悲劇一色じゃないか」という状態がずっと続いていたけれど、姜尚中さんの本「それでも生きていく」に「人生は日めくりカレンダーのようなもの。過去は流れて消えていったものではなく、破っていったものが積み重なっていく」という内容のことがあり、ああそうか、と思いました。
自分の中で、幸せじゃなきゃ生きていても仕方ない・どうせなら人生明るく楽しくしないとというような「ポジティブ志向」があって、悲しいこと苦しいことを上書きするように人生を送ってきたけれど、悲劇があっても生きていく価値はあるかもしれないな、と。
この本は社会問題への考察が多いので、自死遺族の私として読んだ部分はそんなに多くありません。
けれども、この日めくりカレンダーの部分を読めたのは収穫でした。
上書き人生じゃなく、いろんな経験それぞれを併せ持って最期まで生きていく心構えができた気がします。
あと、上野千鶴子さんとの対談写真が載っているのですが、姜尚中先生が少し前よりお元気そうでちょっとうれしくなった^^
自死遺族の方が、少しでも前を向いていきていく姿にはやっぱり励まされます。